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腎移植とまっすぐ向き合って〜

末期腎不全の自覚症状とその時の気持ち

「見かけで判断するな!!」

 

ついにステージ4宣告!自覚症状も少しづつ見られはじめ、通院の回数も増えてきました。自分の先天性の病気「遺伝性多発性のう胞腎」を抱えている慢性腎臓病の方は進行が遅いと言われています。それでも、自覚症状がじわじわやってきて、今までできたことができなくなることで、悩むことも増えた気がします。

 

この時期の僕の自覚症状はというと、

 

「夜間にトイレに行くことが増える」
1時間に一度トイレに行かないといけなかったので、なかなか熟睡感は得られません。昼間は働いている間はまだいいのですが、急にすごい眠気が襲ってきます。休み時間にトイレにいくことは当たり前になりますね。

 

僕は、水筒を必ず持参していました。排尿が多い分、「脱水症状」にならないよう特に気をつけて水分を確実にとるようにしていました。学校だと、休み時間に水道でお水を飲みますが、その時に水筒にお水をパンパンにしておいて、いつでも飲めるようにしていました。当然、保護者、子どもたちには理由を説明していましたよ^^


 

「倦怠感(けんたんかん)」
疲れやすく、常にだるい感じが続きました。だから、立ち止まったり、ぼうーっとする時間ができてはだめです。常にせかせかと何かをやっていたり、次にやらなければならないことを考えて、頭をフル回転にしてだるさが出ないようにします。まあ、よくよく考えれば、みんな意識しないでやっていることです。土日のお休みは死んだようにぐっすり寝てしまいますね。ごはん食べている時間がもったいないくらい、身体を休めていました。

 

とにかく、集中して意識を保つこと!油断すると一気に身体が持っていかれる感じです。
僕は、子どもたちがいかに授業で濃い学びができるか、そのために自分が何ができるか、今だけでなく、次は?ゴールは?それが終わったら別の教科での生産性は?と、とにかく頭をフル回転させて、集中しまくっていることで、戦っていました。^


 

「息切れ」
少し歩いただけで息が切れてしまいました。体力が落ちた?と勘違いするほど体力が落ちました。校外学習、家庭訪問がびっくりするくらい疲れるようになり、途中で座り込むことも当たり前になります。

 

最初は、気のせいか?年のせい?と思っていましたが、息切れが当たり前になります。
砂浜を重い荷物を持って歩いているので、足が重くて仕方ない・・・状態が歩くと感じるようになります。
途中で座り込むといっても、人目もあるので気になって座れません。公園のベンチは、僕にとってオアシスでしたね。


 

「立ちくらみ、めまい」
立ちくらみやめまいが頻繁に起こります。血圧のせいもあるでしょう。それでも、目の前がすごく揺れて立っていられなくなるのはまだいい方で、急に目の前が真っ暗になって気づいたら床に倒れていたことも普通にあります。電車の中で突然倒れることも一度や二度ではありません。当然まわりはびっくりしますね。

 

電車で倒れても基本的に誰も助けてくれません。見てみぬふりをする人ばかりです。混んでいてもです。
また、優先席だろうと、ゲームに夢中になっている高校生ばかりで何ともなりません。
やはり見た目で判断されてしまうので、社会は優しくはないです。本当です。
僕は、電車で倒れたときに財布を盗まれそうになりました。チェーンでズボンと繋がっていたので無事でした。
見た目ではっきりわかる人や、明らかに具合の悪そうなお年寄り、妊婦さんには、まだ席を譲る習慣があるかな?と思うときもありますが、見た目が若々しく、大して変わらない内部疾患の方は、僕と同じ気持ちを味わうかもしれません。はっきり言って、誰も理解してくれません。また、説明しようとするエネルギーさえ沸きません。
杖を持っていてもムダでした。
電車に乗るという行為それだけが、トラウマになるんじゃないかというくらい、電車がイヤになりました。
今後の大きな課題であると思います。


 

「手足のつり」
手足がつりやすくなりました。意識していれば日常生活を過ごすうえで何とかなるものですが、手足が釣るというのは、小学校の教員としては致命傷で、授業中に、チョークをにぎって黒板に書いていた腕が釣ってしまうと、それ以上書くことができなくなります。最初は「気のせいかな?」と思って手をぶるんぶるん降って何度も直していました。

 

僕は子どもの時は左利きで、右利きに無理やり直していた経験もあったので、名残りもあり、左手も器用に使いこなすことができます。そのため、右手が釣ってしまった時は、左手で文字を書いたり、右手にはチョーク、左手には黒板消しを持ったりとか、両手にチョークをもって黒板に書いたりとか、急しのぎを思わせないないように、しのいでいました。
どれだけだめになってもやはり子ども達の前では、一教員として弱いところは見せたくないものです。


 

自覚症状がではじめて、特に感じたことは、

 

「見かけが変わらない」

 

もう、これはうれしいようで、他人からはただただ誤解を招くだけで、気持ち的には複雑です。
当然、病気だとは思われたくない気持ちと、症状が出れば出るほど、わかってよ!という気持ち。
ステージ4の時期はストレスの塊になってしまいました。

 

 

どんなに悪くなっても、見かけは変わらないので、疲れてだるかろうか、息が切れようが、周りからは「なまけている」ように見えます。なまけているように見られないようにどれだけ努力しても、そんな自分の気持ちだけの努力は相手に伝わるものでもなく、伝わりません。
僕自身、なんで今までできたことがこんなに時間がかかってしまうのか、やりきれない気持ちになることもしばしば。耐えられないですね。

 

はあ・・・。

 

それでは、タカから一言

 

「見かけで判断するな!!」


 

僕は、自分がこうなってから、今まで以上に人を見かけで判断することをやめるようになってきます。
僕と同じように悩んでいる人がいるかもしれない。子どもだってそうです。教室の子どもだって、見かけで笑って中身は泣いている子だっているのです。
僕だってまさしく昔からそんな性格。

 

そうだ。基本にもどろう。
「相手と関わるときは、常にリスペクトの気持ちをもって」

 

子どもとは常に同じ目線で。絶対上から目線で話さない!!
他の人に対しても一緒。
誰かにこうなってほしいとか、全部妄想。
だったら、自分が変わるしかない!自分が笑顔と感謝の気持ちを忘れないで、相手に常にリスペクトの気持ちをもつ。

 

なぜだろう?自分が弱い立場になるとなるほど、どんどん弱い立場の人の気持ちが手に取るようにわかるようになるんです。
僕は、死ぬまでこの気持ち忘れたくない!!

 

次回は、「多発性のう胞腎」についてと、特効薬として期待された新薬をためすことについて書きます。
続きを読む 多発性のうほう腎とは?サムスカをためしてみました。

 

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